開幕投手に指名されている日本ハム伊藤大海投手(26)が14日の広島とのオープン戦で、「野球人生で初めて」という半袖アンダーシャツで先発登板した。この日はドーム球場だったが、3月29日の開幕戦本番は風の強いZOZOマリン。「(寒かったら)長袖着ているかも知れませんね(笑い)」。むっきむきの上腕部をむき出すのか、むき出さないのか。それは、当日までのお楽しみだ。

ちなみに、半袖を封印していた理由は、少年時代に「けがしないように」と教えられきたから。現在はパ・リーグ同士の試合であれば、走者として、少年時代のようにスライディングをすることもない。危険は少なく、さらに「今季のテーマは自分の常識を覆す」と着用してみた。半袖にしてみたかったのは「今までは(袖に)布一枚あったほうが安心感があったのですが、オフにトレーニングして腕が太くなり、体に生地がピタピタつくのが気になる」。オフの強化で、よりバージョンアップした肉体が、求めていたことだった。

投球の方は、オープン戦登板2戦目で初失点初被弾も、開幕前に課題を見直す、いい機会となった。4回2死二塁から広島菊地に左前適時打を許し失点すると、5回には先頭の侍ジャパン田村にスプリットを右翼スタンド中段まで運ばれた。「簡単にいっちゃった。それをそのまま打たれちゃったすね」。いつもと違う袖回りの解放感が一瞬の気の緩みにつながったのかもしれないが、慣れてくれば、大丈夫だ。

開幕までの登板機会は残り1回。5回73球を投げ6安打2失点で降板も「フォアボールがなかったことはうれしかった」と収獲も。投球も袖の長さも、ベストの感覚になるよう微調整しながら、万全の状態に仕立てる。【永野高輔】