リーグ4連覇を狙うオリックスが苦しんでいる。原因は記録的な貧打だ。

今季2度目の完封負けで、ロッテ小島に3年ぶりシャットアウトを献上。ここまで計8点しか奪えておらず、開幕7試合で10得点以下は球団では2度目。過去には61年(5得点)だけだ。チーム打率は1割5分5厘まで下がった。もちろん12球団ワースト。打線全体が機能不全に陥っている。

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見せ場なく、アウトが積み重なっていく。昨季王者オリックスが早くも2度目の完封負け。中嶋聡監督(55)は嘆き節で振り返った。「何も言うことないでしょ。点を取っていないですから」。開幕7試合の得点は順に1、2、2、1、0、2、0。いずれも2得点以下でわずか8点。2勝5敗スタートの理由は明白だ。開幕7戦で10得点以下だったのは、球団では61年以来2度目だ。

試合前から期待感はあった。発熱で開幕から欠場が続いた中川が1軍合流し、即3番スタメン。さっそく1回に二塁打を放った。だが森が左飛で続かない。その後も全体が沈黙。惜しい当たりが正面を突く不運もあったが、打てない時はそんなもの。散発4安打で三塁を踏めず、好投の宮城を見殺しにした。

「本当に珍しいよね。全員が全員なんで」と水本ヘッドも嘆いた。打線全体が機能不全だ。昨季首位打者の頓宮と侍ジャパンに初選出の紅林がともに打率1割未満。FA加入組の森と西川は1割台にとどまっている。21年本塁打王のラオウ杉本も1割台。本塁打は開幕2戦目のセデーニョによるソロ1本だけ。ビッグイニングはおろか、コツコツと点を奪えそうな雰囲気もない。

試合後の中川は、まだ鼻声だった。「(安打が)1本出たのは良かったけど、やっぱり負けたのが悔しい。(体調は)まだ100までは行ってないけど、全然ダメではない。チームのために打つことだけ考えてやりたい」。万全ではない中、早期復帰を志願して大阪から千葉に移動。寒空のもとで懸命にプレーし、起爆剤になろうと必死だ。

「監督とみんなで話し合いながら、打線を何とかしたい。全員でピッチャーを助けないと。みんなで頑張っていきますわ」と水本ヘッドは続けた。まったく打てなかった61年は開幕7連敗だったが、幸いにも今季は2勝できている。取り返す時間は十分残されている。【大池和幸】

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