巨人のジョージことドラフト3位佐々木俊輔外野手(24)が、プロ入り初の3安打2打点でチームの呪縛を断ち切った。

2試合ぶりの先発で2番に入ると、1点リードの6回2死二塁の場面で左中間を破り、4点目となる適時打をマーク。13試合連続3得点以下の球団ワースト記録に終止符を打った。4回に適時三塁打、8回にも左前打で初の猛打賞。1番に入り3安打3打点の丸佳浩外野手(35)とともに、阿部慎之助監督(45)の采配的中で、2カード連続勝ち越しを収め貯金3となった。

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佐々木が「4点目の壁」を打ち破った。丸の適時二塁打で3点目が入った直後の6回2死二塁。DeNA上茶谷の直球を捉えた。中堅フェンス直撃の適時二塁打。チームに14試合ぶりの4点目をもたらした。「そこは特に何も考えてなかった。丸さんの流れに続けた」と4月13日広島戦から13試合連続3得点以下の球団ワースト記録を止めた。

呪縛を解き放ち、プロ初の猛打賞も決めた。4回2死二塁からは一塁線を破ってプロ初の三塁打となる適時打。8回2死から詰まりながら左前に落とした。「絶対的なレギュラーではない。(安打を)出し続けないといけない選手。出てよかった」と3安打2打点で暴れた。

壁を越えていく黄金の左足に憧れていた。「俊敏な子に」との願いを込め、俊輔と名付けられた。小学校までサッカーと二刀流。もちろん憧れは同名の元日本代表MF中村俊輔氏。小学生時のテストで、自分の名前ではなく「中村俊輔」と間違えて記入してしまったこともあるほど。休日は野球、平日はサッカーで鍛えた身体能力が今の礎になった。

プロの壁に立ち向かう中で、ヒントをくれたのは阿部監督だった。オープン戦は45打数18安打の打率4割をマークも、開幕から苦しんだ。4月上旬。指揮官から「リズムをうまく取れるように」と助言され、スクエアだったスタンスをオープンに変更。タイミングを合わせやすくなった。この日も3回無死一塁の第2打席で、135キロスプリットに空振り三振に倒れた後、阿部監督から「真っすぐだけで行きすぎているぞ」と一声。冷静に思考を再確認し、後に3安打を固めた。

自らのプレーを「野性的」と表現する。「深く考えすぎないように。自分は経験もないから答えも見つからない。それなら思いっきり」と反省と同時に割り切りも大事にする。今、突破を目指すはレギュラーの壁。風穴を空け「新風」を強く吹かせる。【上田悠太】

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