3年連続で秋田に帰ってきたヒーローも、チームを白星に導くことはできなかった。オリックス吉田輝星投手(23)が、1-3の7回、救援で登板。マウンドに向かった瞬間も「吉田」とアナウンスされた瞬間も拍手が起きた。ただ先頭の村林に左前打で出塁を許し、1死満塁のピンチを招いて茂木の二塁ゴロで1失点。「ちゃんと抑えたかった」と悔やんだ。

吉田の喜びも悔しさも知る、懐かしいこまちスタジアム。金足農3年だった18年夏に秋田王者となり、甲子園大会で準優勝した。日本ハム在籍時の一昨年6月21日楽天戦で凱旋(がいせん)の先発も、5回途中2失点で負け投手に。昨年のイースタンリーグ登板を経て、今年はリーグ王者・オリックスの1軍戦力として戻り、変わらない拍手を浴びた。「うれしかったですし、だからなおさら抑えたかった」。

オリックスにとって16年5月17日楽天戦以来の秋田の試合で、県内ではここまで20勝5敗1分けで3連勝中だった。秋田出身で西武時代の00年5月以来の故郷凱旋(がいせん)だった中嶋監督も「勝ちを見てほしかったんですけど、それができなかったことが残念」と語った。ただ新戦力の吉田をマウンドに送り「これからどんどん投げて良くなっていってくれたら」と期待した。【堀まどか】

▽オリックス・セデーニョ(2回に2試合連続の先制7号を放ち、うち5本が楽天戦の好相性を発揮)「しっかりと振り抜くことができました。なんとかスタンドまで届いてくれてよかったです」