海を渡る日本人アマチュア選手たちが増える中で、「ゴールドラッシュ」と化す市場をさまざまな視点で捉える連載拡大版。初回は「今」に焦点を当て、現役選手や担当スカウトたちの活躍を紹介する。【取材・構成=平山連】

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ハワイ大・冨井翼投手(3年)の名を知ったのは、昨年11月に行われた早大とのオープン戦だった。8ー0で大勝した試合に先発して2回無安打無失点に抑え、継投でのノーヒットノーラン達成に一役買った。当時のことを話題にすると「1番は実戦経験の差が出たと思います。公式戦だけでもアメリカの方が日本と比べて多いですからね。技術的な差はそこまでなくても、新チームのスタートで仕上がりに差が出たのはそこだと思います」と日米の違いを示しながら振り返った。

清宮幸太郎(日本ハム)もかつて所属した北砂リトルでは、小学6年時にエースとして世界大会決勝戦を1人で投げ切り優勝に貢献した。これが海を渡る原点になった。八戸学院光星(青森)では3年夏に甲子園のマウンドにも上がったが、小学生の頃に抱いた感動と興奮はずっと離れなかった。

活動の場をアメリカに移し、2つの大学でプレーした後、全米大学体育協会(NCAA)ディビジョン1のハワイ大へ編入。今季は21試合を投げ、3勝0敗、防御率0・95と欠かせない役割を担う。次の目標であるプロへの切符をつかむためには「何よりシーズンの結果が必要。中継ぎ、ロングリリーフ、先発、どこでも投げられる準備はできているので、チャンスをつかんでチームに貢献したい」と意気込む。