来季は佑ちゃんに負けない!

 広島福井優也投手(23)が7日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改に臨み、1200万円アップの2700万円でサインした。広島の新人投手で1000万円以上アップは、03年の永川勝以来。制球力などの課題を克服し、来季は2桁勝利を最低目標に、日本ハム斎藤らライバル超えを目指す。(金額は推定)

 福井の初めての契約更改は25分ほどで終わった。

 「納得してサインしました。規定投球回数を投げたことも評価してもらったし、1年間ケガなくできたことも良かった」

 ルーキーイヤーで先発ローテを守り抜き、8勝10敗、防御率4・12の成績を残した。広島の新人では97年沢崎、黒田以来となる規定投球回数もクリア。球団からも評価され、1200万円増。広島の新人投手で1000万円以上アップするのは03年の永川勝以来だ。

 もっとも、課題が残ったのも事実だ。防御率は規定投球回クリアの投手ではリーグワーストの16位。平均投球回が5・42と中盤での降板も少なくなかった。鈴木球団本部長は「先発投手ならやはりクオリティー・スタート(6回を自責点3以内で投げること。先発投手の評価基準のひとつ)をしっかりとしてほしい」と注文した。

 早大時代の同僚、日本ハム斎藤は、成績は6勝6敗(防御率2・69)で福井より下回るも倍増の3000万円。他球団の新人で活躍した選手も西武牧田、阪神榎田ら3000万円以上で続々更改している。だが、福井は冷静に受け止めた。

 「他チームの選手には負けたくないですが、今の自分の実力からすれば妥当かなと思います」

 鈴木本部長は「球団にはそれぞれの評価の仕方がある。うちとしての評価はしている。本人にも(他球団の)某選手よりは力が上だと思っていると話した」と説明した。

 来季はドラフト1位明大・野村祐輔投手(22=広陵)ら新人も入ってローテ争い激化は必至。福井も安心はしていない。四死球数を激減させるためフォームを安定させ、制球力を磨く。

 「無駄球を減らせば失点も減る。1勝でも多く、1点でも少なく、1イニングでも長く投げたい。ローテを守り、頑張って最低でも2桁は勝ちたい」

 だれにも文句のつけようのない成績を目指し、来オフ大幅アップを勝ち取って佑ちゃんを超えてみせる。【高垣誠】