今場所から両国国技館内で、外国人観光客に向けた英語の生解説が始まった。旅行会社「羅針盤」の公式サイトを通じて観戦ツアーに申し込むと、専用のイヤホンで初心者にも分かりやすい解説を聴くことが可能。解説は幕内の全取組で、例えば決まり手も「オシダシ(押し出し)、プッシュアウト」などと、補足説明が入る。各力士の特長、力士としての歩み、得意の型なども解説する。
そんな専門的な仕事をこなすのが、相撲ライターの飯塚さきさん(34)だ。生解説は日本相撲協会主導で始まったもので、英語版パンフレットの作成などにも携わっていた飯塚さんに白羽の矢が立った。飯塚さんは「意外だったのが相撲の伝統や文化より、スポーツとしての魅力を伝える方が好評だったこと。具体的には、けんか四つなので差し手争いの攻防に注目、などです」と内情を明かした。
飯塚さんは、父親が都立高の英語教師で、全ての授業が英語という早大国際教養学部を卒業。在学中の1年間は米シアトルのワシントン大に留学した。19年ラグビーW杯では、米国代表の通訳も務めた。近年は本業が多忙で、英語を生かす機会が減っていた中での今回の生解説。連日200~300人の主に欧米の観光客に向けた解説は、日々上達している。「自分が楽しんでやっているので、それがお客さんに伝われば」。利用者からは大好評で、九州場所での継続がすでに決まっている。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)


