プロボクシングのIBF世界ミニマム級10位原隆二(25=大橋)が、「原点回帰」の右ストレートで世界初挑戦での王座奪取を狙う。27日の王者高山勝成(32=仲里)とのタイトル戦に向け、17日に横浜市内の所属ジムで練習を公開。野球の素振りを練習に取り入れ、本来の伸びのあるパンチを取り戻した元高校4冠のアマエリートが、「1%」の可能性にすべてをかける。
原の表情に一切の迷いはなかった。初の世界挑戦は、世界戦だけで13試合を戦ってきた経験豊富な王者との一戦。それでも気持ちで立ち遅れるつもりはない。大橋会長が「99%勝てないと思うが、1%にかけたい」と話すと、言葉に力を込めて続いた。「1%でも、自分は世界を取りたい」。
武器は、輝きを取り戻した右ストレートだ。静岡・飛龍高時代には高校4冠を達成したエリート。素早いフットワークと、威力抜群の右を武器に全国に名をとどろかせた。だが、プロ入り後は伸び悩んだ。無敗で日本、東洋王座を獲得と結果こそ残すも、本来の躍動感のある動きは鳴りを潜め、次第に評価を下げた。コンビを組む佐久間トレーナーは「接近戦でアッパー、フックを振り回す、悪く言えばパワー頼りの楽なボクシング。本来のストレートが打てなくなっていた」と当時を振り返った。
目指したのは「原点回帰」だ。佐久間トレーナーが昨年9月から練習の最後に野球のバットを持って素振りを行うよう指示。下半身主導の動きを覚え込ませるのが狙いだった。原も「バランスが良くなってパンチが強く打てるようになった」と効果を実感。「素振りで左の時はイチロー、右は清原をイメージしている」と笑わせた。
スパーリングでは元2階級王者八重樫を、その右ストレートでのけぞらせるなど、充実の仕上がりぶりをアピールした。陣営は「これまでとは顔つきが違う」と声をそろえる。スパーリングの約束時間に姿を見せず、多くの被害者を生んだ「遅刻常習犯」の面影はない。最高の舞台で、輝きを取り戻す。【奥山将志】

