【香港12日=奥山将志】WBC世界ミドル級5位村田諒太(30=帝拳)が、強化してきた左ジャブで2戦連続のKO勝利を引き寄せる。フェリペ・サントス・ペドロソ(ブラジル)とのプロ第10戦が行われる当地に到着。得意の右ストレートを生かすため、過去の世界王者の映像を参考に、攻撃的な左ジャブを磨いてきた。7月23日には米ラスベガスでの試合も決まっており、世界挑戦に向け、一気にギアを上げていく。
決戦の地に入っても、村田は落ち着いていた。体重もリミットの73・4キロを下回るなど準備は万全。「良い練習が出来た。コンディションも良いし、あとは疲れを抜くだけ。練習してきたことを出すことに集中したい」と静かに闘志を燃やした。
「勝負の年」は、一気に駆け抜ける。1月のプロ第9戦は、開始から攻撃的なボクシングを展開し、豪快な2回KO勝ち。最大の武器である右ストレートの復活を印象づけた。「今回も効かせるパンチは右になる」と話すが、その大砲をさらに生かすのが左ジャブだ。3月の米ロサンゼルスでのスパーリング合宿で重要性を再認識し、帰国後、強化に取り組んできた。
手本としたのは、90年代に活躍した元WBAウエルター級王者アイク・クォーティ(ガーナ)だ。6階級王者デラホーヤと激闘を繰り広げたことでも知られ、高速ジャブを武器に名をはせた。95年にはほぼ左ジャブだけで当時アジア最強と呼ばれた朴政吾(韓国)を圧倒。4回TKO負けした朴が、むち打ちになったという逸話も持つ。
「クォーティのようには難しくても、左で圧力をかけられれば、右も生きてくる」と村田。視察に訪れる、契約する米プロモート大手トップランク社の首脳の前で、さらなる進化を証明するつもりだ。7月には米国での11戦目も決まっており、世界挑戦に向けた、アピールが求められる試合が続く。「まずはこの試合を良い内容で終わること」。油断せず、前に進む。

