王者中谷正義(29=井岡)が10度目の防衛に成功した。日本ユース・ライト級王者富岡樹(21=REBOOT)を11回2分40秒、TKOで退けた。戦績は17戦17勝(11KO)。

 左ジャブを中心に、スピードを生かして激しい出入りを繰り返す挑戦者に序盤はてこずり、4回終了時のスコアは1-2でリードされた。だが、相手が全力で飛ばしてくることは想定内。「焦らんかったです。最悪なら0-3でとられると思っていたから」。5回以降は相手の距離につき合わず、インファイトに切り替えた。6回に左フックから右ショートで最初のダウンを奪取。11回は連打で2度のダウンを奪うと、レフェリーが試合を止めた。

 東洋太平洋のベルトを10度防衛した。いつでも“卒業”できる。ただし、海外マーケットがメインの中重量級で、世界戦実現のハードルは高い。本人も「今日のような内容じゃ大見えは切れません。もっと一から練習します」という。しかし、井岡一法会長は「何とか世界戦をやらせたい。できるなら、来年にもね。全力で努力します」と断言。中谷に「世界にいけるかも、じゃあかん。絶対に行く。そう思わなあかんぞ」とハッパをかけた。陣営一丸で、チャンスを探っていく。