ボクシング4階級制覇を達成したWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(30=Reason大貴)が、20日に都内で一夜明けて会見した。同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)を快勝と言える10回TKOで下した。右拳には痛みが残るが、前夜には試合映像も見た。「思い描いたイメージ通り。窮地の中で楽しめた。ホッとした」と、腫れのないきれいな顔を緩ませた。

昨年の大みそかから再挑戦だったが「初挑戦のように、過去最高に張り詰めていた。いろんな人が背中を押してくれた。家族が一番」と感謝した。近日中に婚姻届を出す元モデルの彼女(31)が、8月下旬にも第1子の男児を出産するとも明かした。「ボクシングはさせない。井岡家のボクシングは僕で終わり」と話した。

初防衛戦は指名試合が既定路線も、5月の挑戦者決定戦が無効試合となり、流動的と言える。ただし、井岡の海外進出の目標にブレはない。「足元が固まり、視野も広くなり、選択肢も増える」と、4階級制覇を通過点にする。「唯一無二を志し、また1つ記録を残した。新たな歴史へ成長、進化していく」と歩みを止めない。

他団体王者の中からは、WBC王者ファン・エストラダ(メキシコ)との統一戦に興味を示す。フライ級時代に対戦が期待されたカードでもある。「日本ではとことんやってきた。野球やサッカーのように、ボクシングでも海外で日本人が活躍すれば。マディソンスクエアガーデンとか本場でやりたい」。井岡の夢はまだ続く。