WBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が、鬱憤(うっぷん)爆発のV3を飾った。15連勝中の同級2位フランシスコ・ロドリゲス(28=メキシコ)との指名試合。日本人唯一の4階級制覇王者として、2階級制覇を狙った相手に3-0で判定勝ちを収めた。ドーピング騒動後では初の試合で、国内の世界戦では初の無観客開催も、苦悩の日々を送った憂さを晴らす白星となった。
◆ボクシングWBO世界Sフライ級タイトルマッチ12回戦
井岡一翔 | ○ | 3判定0 | ● | ロドリゲス |
井岡 「試合前から想定はして準備してきたが、コロナ禍で日本に来てタイトルをとりにくる気持ちが強く手を焼いた。こういう相手に競り勝てたのは自信になった。(次戦へ)無事防衛できた。統一戦を実現させて井岡一翔が一番強いことを証明したい。」
【1回】
互いに様子を見る静かな立ち上がり。ジャブを突く王者の井岡に対し、挑戦者ロドリゲスは左フックから攻め込む
【ニッカン採点】(井岡9-10ロドリゲス)
【2回】
ロドリゲスが攻め込むが井岡がしっかりガード。左ボディーを打ち込み、動きを止める
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【3回】
お互いに距離を詰めてのパンチの応酬。左リードからの右ショートパンチでロドリゲスが押す
【ニッカン採点】(井岡9-10ロドリゲス)
【4回】
ロドリゲスが入り込んでくるところに井岡の左ボディーがヒット。井岡は右でもボディー狙いで主導権を奪い返す
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【5回】
ドリゲスが序盤、左構えにスイッチ。井岡はかまわず距離を詰めて打ち合い、挑戦者は鼻血
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【6回】
ロドリゲスが積極的に出てくるところ、井岡は巧みにかわしながら左ボディーを打ち込む
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【7回】
井岡が右ボディーストレートから左ボディー。ロドリゲスの前へ出る圧力は落ちる
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【8回】
ロドリゲスが捨て身の勝負で前に出る。井岡はうまくかわしながら、ジャブを放つ
【ニッカン採点】(井岡9-10ロドリゲス)
【9回】
ち合い。ロドリゲスが勢いを取り戻し、井岡は防戦。クリンチで逃げる場面目立つ
【ニッカン採点】(井岡9-10ロドリゲス)
【10回】
勝負をかけて出てきたロドリゲスに対し、井岡はガードを固めて左右のショートパンチで応戦
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【11回】
井岡がカウンターの左を打ち込む。ロドリゲスの攻め手が減り、井岡が主導権
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【12回】
井岡の左ボディーでロドリゲスの動きが止まる。井岡は左右フックで最後まで攻め抜く
【ニッカン採点】(井岡10-9ロドリゲス)
【判定】
ジャッジ3人とも116-112、3-0判定で井岡が3度目の防衛に成功した
試合前
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