日本選手最年長戴冠はならなかった。世界初挑戦のWBO世界フェザー級11位清水聡(37=大橋)が、王者ロベイシ・ラミレス(29=キューバ出身)に5回1分8秒TKO負けした。

5回に左アッパーでダウンを喫し、立ち上がったところに連打を浴びてレフェリーが試合を止めた。12年ロンドン五輪銅メダリストが待ち望んだ初の世界王座戦。勝てば37歳4カ月の最年長世界王座奪取だったが夢を阻まれ、この試合を最後に引退を示唆した。

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18年7月。西日本豪雨の影響で、岡山・総社市の清水の実家は全壊した。生まれ育った家は、基礎を残して濁流で流された。両親は、避難命令で父方の実家に移動しており無事だった。清水は「(実家を)見た時は悲しい気持ちでした。亡くなられた方や行方不明の方のことを考えたら…。この事実を頭に入れながら、ボクシングに集中したい」とかみしめた。その1カ月後の東洋太平洋フェザー級王座の3度目防衛戦で勝利。逆境をエネルギーに変えた。

プロでも順風満帆ではなかった。19年7月に世界挑戦の可能性を広げるために1階級上のWBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級王座に挑戦も6回TKO負け。プロ初黒星を喫し両眼窩(がんか)底、両眼窩内など計4カ所を骨折して緊急手術を受けた。3日後に退院したが、担当医の最終判断を待たず、1週間後にロードワーク、3週間後にはジムワークを再開。周囲の心配の声も「大丈夫です」と突っぱねた。先輩、後輩からもいじられる愛されキャラ。内なる闘志で世界戦に挑んだ。【藤中栄二】