11月16日に東京・有明アリーナで行われる「ONE173」で、“The Bosnian Menace(ボスニアの脅威)”デニス・ピューリック(40)とフライ級キックボクシングで戦う武尊(34=team VASILEUS)がONE公式サイト(英語版)のインタビューに登場。自身のメンタルヘルスについて語った。
武尊は高校時代にうつ病を発症したそうで「最初にうつ病になったのは高校生の時で、プロのキャリアを通してこれらのメンタルヘルスの問題と戦ってきました。プロデビューしてからは、薬を飲みながら、精神疾患と戦いながらプロとして戦ってきました」と説明。さらに「チャンピオンになってようやく薬をやめることができました。しかし、勝ち続けるにつれて、僕を応援してくれる人が増え、注目度が高まり、プレッシャーはより激化しました」という。
そんな中、THE MATCHでの那須川天心戦が決定するまでの間にも、オンラインでの誹謗(ひぼう)中傷はやまなかったという。交渉が停滞し、話が進まないと、一部のファンは武尊に対して敵意を向けた。
武尊は「この対戦の話題がくすぶっていた頃、一部のファンが僕を天心から逃げていると非難しました。これにより、オンライン上で批判と中傷の嵐が巻き起こりました。これらのオンライン攻撃がエスカレートするにつれて、精神的に逃げ場がないと感じるようになりました」
「最終的に、うつ病が再び悪化し、その後、パニック障害も発症してしまいました。(そんな中で)誰にも言わずにトレーニングを続けました」
「僕はほとんど1人で戦っていたので、非常に孤立していると感じていました。良くなるためにさまざまな治療を試みましたが、どれも効果がありませんでした」と当時を振り返る。
ただ、トレーニングのために米国を訪れたことが武尊にとっての転機となった。米国滞在中、メンタルヘルスの問題についても心を開いて歓迎するファイターやコーチに出会い「アメリカに行き、日本での考え方とは非常に異なる価値観とマインドセットに触れたことが、本当に助けになりました」。その結果「誰もが考えていることを率直に共有するんです。その姿勢に触れたことで、僕の考え方が徐々に変わりました。そうして僕は少しずつ良くなっていったのです」と、メンタル面は徐々に改善されていったという。
今でもうつ病が発症することはあるものの、それを認識、コントロールし、なおかつ「一人で戦わない」ことを学んだことで、状況はかつてよりもはるかに良くなっている。team VASILEUSの仲間たちや、長年の恋人で最近結婚したばかりの女優・川口葵らがリング内外で武尊の支えとなっているからだ。
武尊は「今でも体調が悪い時は、落ち込むこともあります。しかし、僕がそれを乗り越える姿を人々に見てほしいとも思っています。それが彼らの力になることを願っており、だからこそ僕は精神疾患との戦いを公表しました」と話している。ピューリックとの一戦も、武尊のそうした生きざまを多くの同じ境遇にいる人々に見せる大事な舞台なのだ。

