4場所ぶりの三役復帰を果たした小結宝富士(29=伊勢ケ浜)が、感激に浸った。

 13年夏場所の初対戦から10戦全敗だった横綱白鵬(31=宮城野)に、11度目の挑戦で初めて勝った。互角の立ち合いで左から攻め、白鵬の引きに乗じてその左をこじ入れた。休まず攻めて、絶対横綱を正面に寄り切った。

 三役のため金星にはならないが「相撲をやってきて良かった。うれしい」と感無量の様子。勝った瞬間を「“あっ、勝っちゃった”って感じでした」と、半ば放心状態だったようだ。

 今場所前に時津風部屋に出稽古した際、やはり白鵬も同部屋に来て、稽古をする機会があった。「あの時に何番か、残れた相撲があって」と、手応えらしきものをつかんだ。

 立ち合いは「頭を低くして当たろう」と集中。「相撲は覚えてない」と話すが、立ち合いの瞬間だけは手応えがあったのか「いつもより低く当たれた」と勝因として挙げていた。