大相撲夏巡業は4日、東京・立川市で行われ、休場者を除く九重部屋の関取衆4人が再出場した。先月31日に先代九重親方(元横綱千代の富士)が急逝したため2日の福井市巡業を休場しており、朝稽古ではいずれも土俵に上がらず基礎運動で汗を流した。

 十両千代翔馬(25)は亡き師匠の教えを守り「ずっと言われてきた基本をしっかりやって、体を作る」と、花道でみっちりと四股を踏み続けた。秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)では新入幕が確実。楽しみにしてくれていた師匠に幕内の土俵に立つ姿は見せられなかったが「(先代)師匠も喜んでくれていたみたい。悔しい気持ちも、悲しい気持ちもあるけど、生きているうちに喜ばせることができてうれしい」と笑みも見せた。

 打ち出し後は先代師匠と部屋の関取衆6人のしこ名が入った新しい浴衣に袖を通し、稽古再開については「全部終わってから」と、7日の告別式後を見据えた。天国の師へさらなる吉報を届けるべく、調整を進めていく。