西十両9枚目の里山(35=尾上)が、同5枚目の佐田の富士(31=境川)を2分49秒の熱戦の末に破った。

 突っ張りをしのいで中に入り、半身でこらえる相手を攻めきれず、持久戦に。足技でけん制したが「あんなのごまかしですよ。力が残ってなかった」と振り返った苦しい戦い。最後は、自身初の決まり手となる「蹴返し」で転がした。

 過去の対戦成績は幕下のころから通算して2勝10敗。「すごい分が悪いんで、勝ってよかった。重いっす」。身長176センチ、体重115キロの里山に対し、佐田の富士は194センチ、195キロ。圧倒的な体格差と合口を覆した。

 「負けると5日分の疲れが出る。こうしないと勝てない。簡単に勝とうとしたら、簡単に負けちゃう」。1勝のためにすべてを駆使する小兵らしく、勝負への信念を口にした。