横綱白鵬(31=宮城野)は関脇隠岐の海(31=八角)を突き落としで下して、復帰場所を白星発進した。史上3人目の通算1000勝まであと2勝とし、支度部屋では「分かっているよね」と笑いながら、カメラマンに向かって2本の指を立てた。そして「勝った気持ちよさ、相撲を取る喜びを感じた気がします」と思いをかみしめた。

 大関だった07年初場所以来となる、全休明けで迎えた初日。だが、そんな緊張感をものともしなかった。2度突っかけて、3度目で成立した立ち合い。隠岐の海の足が流れた瞬間を見逃さず、左に動いて突き落とした。「相撲勘と勝負勘が初日からできている」。不安を一掃し、満足そうな表情を浮かべていた。