大相撲九州場所中の昨年11月に死去した日本相撲協会の北の湖前理事長の命日となった20日、旧北の湖部屋の山響部屋では福岡県志免町の宿舎での朝稽古後、部屋を引き継いだ山響親方(元幕内巌雄)や力士らが黙とうをささげた。

 山響親方は「もう1年かと思う。師匠に教えてもらったことを思い出している」と感慨深げな表情。夜もちゃんこ鍋を囲み、前師匠がいつも座った場所に座布団を敷いて黙とうをする予定だという。

 十両では弟子が奮闘。34歳の北太樹は6勝目を挙げ「思い出すのは楽しそうな笑顔。いるだけで安心感があった」としのぶ。敗れた北はり磨は「自分にとってはいつまでも師匠だから」と話した。

 九州場所8日目は2度目の満員札止め。八角理事長(元横綱北勝海)は「この1年はいい相撲が多い」と、故人が掲げた「土俵の充実」の継続に手応えを示した。