平幕北勝富士(八角)が25歳の誕生日前日に、夢を実現させた。負けはしたが、横綱白鵬と初対戦した。

 「小さい頃から『一番強い人は、どんだけ強いのか?』と思っていた。直に肌を合わせるのが、信じられなかった」。白鵬を最初に知ったのは、小学生の時。当時ファンだった栃東が優勝争いの中で、白鵬に敗れた。「(栃東が)大丈夫、勝つだろうと思ってたら、負けて…。『すごい人がいる』と思った」という。

 念願だった1番は当たって、いなされ、送り出しで敗れた。「不完全燃焼ですね。どうせ負けるにしても、もっとガーンと受け止めてもらって、上手投げや寄り切りで、力でねじ伏せて欲しかったんですけど…。まだまだ顔じゃないってことですね」とこぼした。

 「うれしさもあったけど、次元が違う人とやるので、全部が怖かった」という初対戦は終わった。「今日は胸がこうキュッとなってしまったけど、次はもっと余裕を持ってできると思う。次、また当たれるように頑張らないと」。夢を実現させ、次のステップに歩み出した。