大相撲名古屋場所で自身が持つ史上最多記録を更新する39度目の優勝を果たした横綱白鵬(32=宮城野)が29日夜、モンゴルから再来日した。千秋楽翌日の24日から故郷のモンゴルに、家族を連れて一時帰郷していた。

 モンゴルに到着した24日と翌25日は「今年一番の大雨が降った」という。それも「名古屋場所では大記録をつくり優勝もした。この雨は(日本から)ついてきたのかなと思った。縁を大事にするから」と第一声で話した。

 現地では、大統領とも接見し「直々にお祝いの言葉があったし、みんな喜んでくれた」と笑みを浮かべた。また、今後、目標にする数字についても親しい関係者と話に花が咲いたという。「あと50勝で通算1100勝と幕内1000勝(幕内1000勝には残り44勝)。11年間、全勝しても行けない(到達しない)から『厳しいな』『すごいな』『無理だな』とか驚かれた」とあらためて、積み重ねた数字の重みを感じ入っていた。

 また、モンゴル初の土俵も白鵬が音頭を取り宮崎・都城市の協力を得て完成。「そこで白鵬杯の予選、全国大会をやる。涙あり、笑顔あり、たくさんの強い力士が育ってほしい。17年間、大相撲に心と体をささげて実現した」と喜んだ。

 休む間もなく、30日から夏巡業が岐阜市を皮切りに始まる。「暑さに負けず、場所前に痛めた所を悪化させないで頑張る」。残る3横綱が巡業初日から休場する中、気分一新、協会の看板として臨む。