大相撲の横綱鶴竜(32=井筒)が1人横綱で春場所(11日初日、エディオンアリーナ大阪)に臨む。

 出場決断から一夜明けた9日、大阪市の同部屋宿舎前で師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が取材に応じた。「昨日、(時津風部屋への)出稽古が終了したので“風呂入って、飯食って、少し1人で考えろ”と言ったら、夕方に『出ます』と言ってきた。気持ちを尊重しました」。同親方によると、初場所の千秋楽で脱臼した右手薬指の状態は「あと10日、2週間ほどあれば完璧に近い状態に戻ったと思う」という。それでも「(鶴竜も)悩んだと思うが、力士として出たい気持ちに強く傾いたんじゃないでしょうか」と話した。

 稀勢の里に続き、白鵬も休場を決めた。鶴竜は2場所連続の1人横綱で、先場所は途中からだったが、今場所は初日から。得意の形に持ち込むため、右前みつを取りに行く利き腕に不安を抱えながらの見切り発車。この日の取組編成会議で初日の相手は千代大龍、2日目は遠藤と決まった。