大相撲の春巡業は27日、埼玉県越谷市で行われた。3月で36歳となったベテランの前頭嘉風(尾車)は、27日間に及ぶ巡業最終日を迎え「昔と比べると移動の疲れも少ないし、支度部屋でも快適に過ごせた。積み重ねてきたものもあるし、明日が本場所初日でも大丈夫」と、充実した表情で振り返った。

 関西から北関東まで連日、バス移動を伴った今回の巡業では、アドバイザー契約を結んでいるマニフレックスの特注座布団が“相棒”だった。高反発の座布団を支度部屋では枕として使用し、朝稽古と取組までの時間も快適な睡眠を取ることができたという。連日、場所を移す巡業では3時間以上のバス移動が当たり前だが「長距離移動でも全然気にならない」と、力強く話した。

 現在、巡業には付け人が1人しか同行できていない。手荷物も多いだけに、普段、自宅で使用しているマットレスまでは持参できず、座布団だけにとどまっている。それでも「大関になれば付け人を3人連れて行くことができるので、そうなれば1人はマットレスを持っていくこともできるはず」と力説した。

 ベッドの上に敷いて全身をカバーするマットレスも巡業に持参できれば、かつて悩まされた腰痛の予防となり、力士生命を延ばすことにもつながる。それだけに、目標とし続けている大関昇進への思いを再確認した様子だった。