日本相撲協会は2日、東京・両国国技館で暴力問題の再発防止に関する研修会を開いた。親方、力士ら全協会員らが出席。会の冒頭で鈴木大地スポーツ庁長官から「暴力問題が繰り返されているのはスポーツ界の中でも極めて異例。国民からの目も厳しく、協会全体が暴力体質ではないのかと思われている事態になっている」と厳しい言葉をかけられた。

 さらに「弟弟子など立場の弱い者に対する暴力が起こりがち。親方、兄弟子の皆さんは指導を名目に暴力を振るうことことで自己を正当化せず、率先して暴力の根絶に務めていただきたい」と暴力根絶を訴えられた。

 研修会終了後に芝田山広報部長(元横綱大乃国)は会見を開き「こういった研修会を積み重ねて浸透させないといけない。各部屋の師匠、親方が部屋に帰って弟子にレクチャーしないといけない」などと危機感をあらわにした。力士代表として会見した横綱鶴竜は「頭で分かっていることでも、あらためて気づくことがある。気を引き締めて全員でやっていかないといけない」と話した。

 また研修会には、元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者の十両貴ノ岩、当時十両だった春場所中に付け人に暴行した幕下貴公俊、その2人の師匠の貴乃花親方(元横綱)も出席した。貴公俊は「心を入れ替えないといけない」と神妙な面持ちで話した。貴ノ岩は、報道陣の質問に無言を貫いた。