西十両筆頭阿武咲(21=阿武松)が白星スタートを切った。小結だった初場所9日目に右膝後十字靱帯(じんたい)損傷、途中休場して、春場所は全休。3場所ぶりの復帰場所は、7場所ぶりの十両で臨む。この日は蒼国来をはたき込んだ。「しっかり足で(体を)持っていけた。相手の足がそろっているのが見えた」と、タイミングの良いはたきに納得の表情を見せた。

 全休した先場所。仲のいい阿炎が「がんがん勝っているのを見て、うらやましかった。早く追いつきたいです」という。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)には「またはい上がればいい」と励まされた。「師匠も関脇まで行って、ケガで苦しんだ。言葉に重みがあります。弟子の自分がその重みをしっかり受け止めたい」と話す。

 春巡業も休み、番付発表翌日の5月1日から相撲を取り始めた。「間に合うかどうか不安でしたけど」と懸命の調整で間に合わせた。右膝の状態を「大丈夫」と言うものの、状態はまだ「6、7割」だ。「1番1番、番付は関係なくやります。自分はチャレンジャーですから」。2日目以降も目の前の土俵に集中するつもりだ。