優勝争いで1差と後退していた大関貴景勝(26=常盤山)が、2敗で単独トップを走る平幕の阿武咲(26=阿武松)を押し出しで破り、単独トップの座から引きずり下ろした。優勝争いは2日を残し、この2人と平幕の琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)が3敗で並ぶ混戦となった。
どちらが押し勝つか-。押し相撲の意地の張り合いとなった一番は、頭で当たる激しい立ち合いから、まずは貴景勝が左からいなし、阿武咲の体を崩した。ただ、そこからの激しい突き押しの応酬でも阿武咲は下がらず、むしろ攻勢に転じた。再び、貴景勝がいなして阿武咲を泳がすと、右から強烈な張り手を一発。これで後退させた後、今度は阿武咲が右から張り返したが、これで自分の体勢を崩してしまった。上体が浮いたところを大関につけ込まれ、押し出されて東土俵下まで転がされた。
仕切りの際に「貴景勝の方が精神的な疲れはあるでしょう。阿武咲は気持ちが乗っているのでは」と、報道陣とのリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は見通していた。熱のこもった優勝争いにふさわしい一番が終わり「優勝争いの経験の差でしょう。いなしにも落ち着いていた」と貴景勝が持つ経験値の高さを勝因の1つに挙げた。これで優勝争いは3敗の3人に、4敗の3人も加わる大混戦に。「これで並んだ。これからでしょう」と同理事長も、残る2日の熱戦に期待した。

