大関大の里(24=二所ノ関)が、通算3度目の優勝を逆転で飾った。結びの一番で琴桜との大関対決を寄り切りで制し、同じく3敗で並んだ東前頭4枚目高安との決定戦に進出。送り出しで勝ち切って、大関では初となる賜杯を抱いた。
優勝力士の表彰では、異色の顔合わせも見られた。ハンガリー共和国杯のプレゼンターを務めたのが、トート・アティラ氏(39)。元幕下の舛東欧だ。同国から初めて角界へ入り、大使館職員に転身し、表彰者の立場となって土俵に上がった。
幕内優勝者に対し、最高位が西幕下8枚目だった元力士が授与する珍しい構図。スーツ姿で賞状を手にし「表彰状、優勝、大の里泰輝殿。あなたは令和7年三月場所において、頭書の通り優秀な成績を収められました。よってここに、ハンガリー国友好杯を贈り、その栄誉を表彰いたします。令和7年3月23日、駐日ハンガリー大使館、特命全権大使オルネル=バーリン・アンナ」と読み上げた。
186センチのアティラ氏が192センチの大の里と目線を合わせ、手渡し、一礼し合った姿に、場内から拍手が送られた。
元舛東欧は史上初のハンガリー出身力士。18歳で入門して16年間の土俵生活を送った。現役時代は168キロあった。
21年3月の春場所限りで引退し、両国の懸け橋になることを志し、東京・港区のハンガリー大使館に勤務している。
ハンガリー国友好杯は1986年(昭61)から幕内優勝力士に授与されてきた。2019年(平31)の夏場所から新調され、同国の高級磁器製作所ヘレンド社による巨大なカップとソーサーになっている。重さは約15キロあるが、アティラ氏は軽々と大の里に贈っていた。

