西前頭筆頭の王鵬(25=大嶽)が横綱豊昇龍を破り、2個目の金星を挙げた。同学年で高校時代からのライバルに土をつけ、今場所は1横綱1大関1関脇を撃破して3連勝とした。結びの一番にはめっぽう強く通算7勝1敗。4日目は同じく負けなしの大関大の里と対戦する。
◇ ◇ ◇
金星にも、王鵬は表情を変えなかった。座布団が舞う中、39代木村庄之助から淡々と49本の懸賞の束を受け取った。「まだまだ前半なんで、今日は良かったなという気持ちはありますけど、普段と変わらないです」。土俵の上で気持ちを切り替えていた。
「重さも乗っていて、角度も良かった」という立ち合いで当たり勝ち、強烈な突きで横綱の体を起こす。立て直そうと前傾する豊昇龍の首根っこをつかみ、はたき込んだ。7場所前の照ノ富士戦以来となる金星。優勝決定戦を含め幕内での豊昇龍との対戦成績は4勝4敗と五分に戻した。
結びの一番は、独特の雰囲気が漂う。最後に登場する横綱が支配する空間になる。ずぶとい王鵬は、気にかけない。結びで8戦して7勝目。浮足立つより、やりがいを感じる。新関脇となった3月の春場所後、こう話したことがあった。
「幕内後半の相撲で、来てくれたお客さんの1日の感想が変わる。やっぱり、最後の方でおもしろい取組があると『楽しかったな』という感想で終わる。人のために取っているわけじゃないけど、どうせなら来て、自分の相撲を見て、楽しく帰ってほしい」
1月の初場所は優勝決定戦に進んだ。3月は関脇で6勝9敗にとどまり、平幕に戻った今場所は3連勝発進。「これ以上ない滑り出し。しっかりこのままの状態で続けられればいいなと思います」。横綱大鵬の孫、関脇貴闘力の三男-。この肩書を出すまでもなく、「王鵬」のしこ名が大きくなってきた。【佐々木一郎】
八角理事長(元横綱北勝海) 豊昇龍は気負ったかな。明日が大事だ。王鵬は立ち合いで当たり負けしなかった。大の里はあれだけ天井を向いたら、普通は力が出ない。阿炎も、あそこまでのけ反らせて負けたことはないのではないか。

