大関霧島(30=音羽山)が、横綱大の里(26=二所ノ関)を破り、10勝目を挙げた。この日は1敗でトップだった安青錦が敗れ、優勝争いでも先頭に立った。

勝負が決まると、右腕が上がった。「良かったですね。この喜びは今日で終わりにしようと」。過去10戦全敗。何度もはね返されてきた相手に、初めて勝った。

「あんまり負けている相撲は気にしないで、一番一番しっかり取ることが大事ですから」。そう言いながらも、表情はいつもより少し和らいでいた。

2度目で立った。霧島は、右肩から当たって右をのぞかせてくる大の里の腕を取った。回り込むようにして体を崩し、決まり手はとったり。ただ「狙ってはない。中に入って出ようと」と言う。むしろ「もうちょっと前に出る相撲を取れたら面白かったかな」と、勝ってかぶとの緒を締めた。

綱とりの場所で、落とせない横綱戦だった。取組前、師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)は、分の悪い相手を前に「なおさら今日、勝たないといけないと思いますね。(勝てば)気持ちの面でも、さらに上を目指せると思います」と話していた。その言葉通りの一番。白星は、星勘定以上の重さを持った。

長女アヤゴーちゃんとは普段から電話で話している。以前は「大の里に勝つ技はないの?」と言われたこともあった。前夜も「あした頑張って」と背中を押されていた。会心の勝利に「初めて勝ったと言える」と笑顔。「まだパパ弱いので、もっと活躍して頑張らないといけない」と誓った。

綱への意識を問われても、そこは抑えた。「まだ3日間あるので。ここで意識したらダメなので、一番一番を楽しくやっていけたら」。あす13日目は関脇安青錦戦が組まれた。過去5戦で1勝4敗。喜びに区切りをつけ、優勝争いの先頭で次の大一番へ向かう。

13日目の取組が決定「2敗対決」が実現…大関霧島VS関脇安青錦 尊富士、獅司らも上位と対戦