テレビ朝日久保田直子アナウンサー(38)の第2回です。進行を務める「マツコ&有吉 かりそめ天国」(金曜午後8時)は、入社15年目にして初のゴールデンレギュラー。ゴールデン番組に恵まれず、「腐りまくり」の若手時代を抜け出せた陰には、フリーアナウンサー羽鳥慎一の存在がありました。

「モーニングバード」への出演が分岐点になったと語った久保田直子アナウンサー(撮影・中島郁夫)
「モーニングバード」への出演が分岐点になったと語った久保田直子アナウンサー(撮影・中島郁夫)

意外にも「かりそめ」が初のゴールデンレギュラーだという。“遅咲きアナのブレーク”と言われることもあるが「ぼちぼち自分のペースでやっていたら『かりそめ天国』に付かせてもらって。そうしたら皆さんが『ある意味珍しいね』と面白がってくれて。そういうふうに思ってくれるんだったら、今まで出なかったのも悪くないなって思いました」

若手時代、ゴールデン番組の担当願望は強かった。しかし、なかなか機会に恵まれず「後輩に抜かされて、『う~!』みたいなこともありました。もう、腐りまくり毒吐きまくり」と苦笑しながら振り返る。

ゴールデンを意識しなくなったのは、立ち上げから関わった朝の情報番組「モーニングバード」への出演が大きかった。スタッフを何よりも大事にする、羽鳥キャスターの人間性と番組づくりに感銘を受けた。「ゴールデンじゃなくてもいい番組はいっぱいあるし、そういう番組に付いてきたから、それが全てじゃないんだって思って。それぞれ持ち場があるし、前面に出るのが正解じゃないというふうにも気付いて」。求められた場所で奮闘し始めると、仕事に夢中になった。「そうしたら、ゴールデンの存在を忘れていました」と声を上げて笑う。

現在「モーニングショー」に出演する羽鳥キャスターとは、局内でよく顔を合わせる。「久保ちゃん最近どう?」と何げなく掛けられる言葉に助けられているという。「『かりそめ』がゴールデンに移動した時も『おめでとう』ってわざわざメールくださって。優しくて愛情深くて。見えないところで救いの言葉をかけてくれるから、スタッフも頑張っていられる」。環境への慣れを感じ始めた時も、「絶対に自分におごらない羽鳥さんに会うと、『おお、ヤバイヤバイ、私がこなれ感を出すなんておこがましい』っていつも思うんです」。羽鳥の存在が、アナウンサーとしての指針になっている。

◆久保田直子(くぼた・なおこ)1981年、東京都生まれ。立教大社会学部を卒業後、05年テレビ朝日入社。レギュラーは「大下容子ワイド!スクランブル」「裸の少年」など。159センチ。