上白石萌音(25)が第30回読売演劇大賞の最優秀女優賞を受賞した。最優秀女優賞は過去に杉村春子、森光子ら大女優から大竹しのぶ、松たか子、宮沢りえ、鈴木杏、蒼井優も受賞しているが、25歳での受賞は史上最年少という。
昨年、上白石は橋本環奈とダブルキャストで主演したジブリ作品の舞台版「千と千尋の神隠し」の千尋役、「足ながおじさん」をもとにしたミュージカル「ダディ・ロング・レッグス」のジルーシャ役を演じて、いずれも高く評価された。
最優秀女優賞は優秀賞の5人の女優から約100人の投票委員の投票で選ばれるが、上白石は2位に大差をつけての受賞だった。私も投票委員として上白石に1票を入れたけれど、受賞作品は千尋、ジルーシャという少女の成長物語であるとともに、上白石という女優の成長を実感する舞台だった。
実は、読売演劇大賞でまだ発表されていない賞がある。それは年間グランプリである「大賞」で、最優秀作品賞。最優秀男優賞、最優秀女優賞、最優秀演出家賞などから選ばれる。これまでは最優秀賞と一緒に事前に発表されてきたが、今年は24日の授賞式で発表されるという。
演劇の賞と言えば、紀伊国屋演劇賞にしても菊田一夫演劇賞にしても、すべて授賞式前に発表されている。今回は、映画の日本アカデミー賞や音楽の日本レコード大賞のように、最優秀賞受賞者が一堂に会した中で、大賞が発表されるわけで、ちょっとドラマチックな光景となりそうだ。ただ、残念なのはコロナ禍のため授賞式は縮小され、投票委員が会場に入れない。その代わり、ライブ配信があるという。ところで、大賞は誰になるのか。「セールスマンの死」「女の一生」で最優秀男優賞の段田安則が最有力候補だろう。06年にも大賞を受賞しており、2度目の大賞を射止めるのか、それとも上白石が大賞でも最年少記録を塗り替えるのか。24日の発表に注目しています。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)




