舞台以外に、寄席にも時折、足を運びます。例えば、新宿の末広亭だと、昼の部は正午から16時15分ごろまで、4時間以上も落語から漫才、太神楽、奇術、漫談、紙切り、講談、浪曲までさまざまな演芸を楽しむことができます。最初から最後までいるのもいいし、途中で入退場するのも自由です。同じように、漫才協会が浅草の東洋館で行っている「漫才大行進」も今年3月までは12時半から17時までのぶっ通しの興行でした。しかし、4月1日から12時から14時を1部、15時から17時を2部と、客を入れ替えての2部制を導入したところ、異変が起こっているようです。

漫才協会会長でもあるナイツの塙宣之が9日に自身の公式YouTubeチャンネルで「緊急告知 助けてください。東洋館が大変です」と異例の訴えをしました。「私が(2部制を)先導したんですけど、今のところ大失敗」と説明。客の入りは3月までは100人ほどは入っていたのに、4月になってからは「この前は1部が9人だったんですね。2部も50人ぐらいしか入っていなくて」と窮状を明かしました。

塙は、従来の20組以上のコンビが次々と登場し、休憩をはさんで4時間以上の興行は「長い」と判断して、2部制導入を決めたようです。一方で、長い間続いた4時間興行に慣れた常連のファンには2部制への戸惑いもあるのでしょう。塙によると「まだ(2部制が)浸透していないということもあるんでしょうけど、『ぶっ通しで見たかった』と言う人もいました」という。

ただ、2部制は始まったばかり。こういう改革には当初の混乱がつきものです。私も「漫才大行進」を見に行って、4時間は「長い」と思った一人だけに、塙の改革には共感を覚えます。改革の行方をじっくりと見守りたいと思います。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)