THE YELLOW MONKEY吉井和哉に、22年4月から3年間にわたって向け続けたカメラの、あまりの密着ぶりに驚きを禁じ得なかった。企画が持ち上がったのは、21年のソロツアー年末公演で喉の不調を訴えた吉井が、翌22年年始の検査でポリープが見つかったタイミングだという。同10月に喉頭がんが発覚した中、翌23年6月に解散したBiSHのラストシングル「Bye-Bye Show」の作詞・作曲・プロデュースの依頼が入り、激動の真っただ中にいる吉井を克明に映し出す。
並行して描かれる、もう1本の大きな柱が、若き静岡時代に自らをミュージシャンの道へと導いたバンドURGH POLICE(アーグ・ポリス)のERO(エロ)こと高林英彦氏との交流だ。21年7月に脳梗塞で倒れ、半身にマヒが残った同氏のためにできることはないかと40年ぶりのセッションを約束し、その様子を追うドキュメンタリー制作が当初の目的だった。
吉井は、22年夏に開始したソロアルバムの制作をストップし、再手術を行った結果、早期の咽頭がんが発覚しても「ビックリ。震えましたよね」と言いつつも、笑みを交えつつ前を向く。その姿は観客に1つの気づきを与えるに違いない。また、音楽性の違いからURGH POLICEが自然消滅した後、東京でスターになった吉井を避けた時もあるというEROと、年齢を重ねたからこそ互いをさらけ出し、許し合える関係性が心にしみる。大人に希望を与えうる1本は、これから大人になっていく若者にも見てほしい。【村上幸将】
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