ラブコメや胸キュン作品をすすんで見る柄ではないが、携帯コミック原作のカオスの匂いに引かれた。

主人公の女子高生はゲームが生きがいで、それにチョコと愛猫が加われば十二分に満たされる。ところが、「恋愛エネルギー」を糧とする魔法使いが突然現れ、ゲーム、チョコ、ネコを取り上げた上に次々とイケメンをあてがって、「恋愛」にからめ捕ろうとする。

コミックならではの魔法トラップを、実写でどう表現するのか。「賭ケグルイ」や「東京リベンジャーズ」の英勉監督が笑ってしまうほど大がかりなアクションに仕立てて原作のカオスを映像に焼き付けている。

最初に抱いた違和感はいつの間にか霧消して、恥ずかしながら最後はウルッとさせられた。クセのある原作世界を1時間45分の映画サイズにまとめ上げた監督の手腕に改めて感服する。

主演の上白石萌歌の脱力感が巧みで、こんな干物女子もいそうに思えてくる。イケメン陣はなにわ男子・高橋恭平、INI木村柾哉、FANTASTICS中島颯太。少し前なら所属事務所の大人の事情でかなわなかった顔合わせだ。今ならではの混成感もこの作品のカオスを増幅している。【相原斎】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)