アカデミー賞主演女優賞2度獲得の米俳優ジョディ・フォスターが、仏映画に初主演した。日本でも公開された04年「ロング・エンゲージメント」で仏映画に出演したが、同作は米ワーナー・ブラザースが出資した作品だけに「フランス人監督による全編フランス語のフランス映画に出演したいと、ずっと思っていた。大切な1本になりました」と語っている。
劇中で演じたのは、パリで成功した米国人の精神分析医。9年、診察を続けてきた患者が死の兆候もないのに突然亡くなってしまい、しのぶ会に参加すると激怒する夫に追い出される。一方で娘は何かを知ろうと診療所に押しかけてくる。患者の死が殺人ではないかと疑うが、守秘義務があり警察を頼れず、自ら調査に乗り出す。
主軸のサスペンスと並行するもう一つの軸が家族だ。医師は無自覚に涙が流れる症状に悩み、眼科医の元夫を訪ね、原因が明らかにならないと、評判の催眠療法士の施術を受け自身の潜在意識と向き合う。その流れで再会を喜ぶ元夫を相棒に探偵ばりの捜査に乗り出すが、元夫とは再び親密になり、関係が壊れた息子との距離感も変化していく。
家族、恋人など、男女は一つの形でくくられなくても良い…1度、壊れたにしても、互いが再び理解し心地よい関係に戻れたならば、それもいいと思わせる元夫婦。その姿は人間関係に窮屈さを感じる人に、何かを投げかけるのではないか? 亡くなった患者を演じるのは、公開中の「急に具合が悪くなる」でカンヌ映画祭女優賞受賞のビルジニー・エフィラだけに映画ファンは見逃せない。【村上幸将】
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