個人的な事情で恐縮だが、ふだんはテレビよりラジオに接する時間が多い。よく耳にするのは、昔で言えば「FMよりAM」。時間帯でいえば「夜よりも朝昼」。大阪の人間なので「聴いておもろい」ラジオを好む。
この十数年、ラジオ中心の生活を送っていて「こんな世界があったのか!」とうなってしまうのは、メッセンジャーあいはらの存在だ。言うまでもなく本職は実力派の漫才師。黒田有とのコンビで上方漫才大賞(2007年)に輝き、なんばグランド花月(NGK)でも爆笑を呼ぶ。
黒田と組むMBSラジオ「それゆけ!メッセンジャー」(土曜午前11時30分)は放送スタートから20年以上続く、同局の看板番組。同「メッセンジャーあいはらのYouはこれから!」(水曜午後3時)も前身番組が2016年のナイターオフ期に放送され、今ではレギュラー番組に定着した。いずれも奔放なトークで勝負する、大阪らしい人気番組だ。
特色はどちらの番組も、共演者とともに身近な話題(半径2メートルほど?)を拾って、とにかく笑いに持っていく。「それゆけ!」では、黒田とあいはらがアシスタント(週替わり)の川岸ゆか、梅山茜、藤岡理佐、武川智美アナウンサーを徹底していじりまくる。そのパターンばかりが目立つが、飽きることなく毎回確実に笑わせてくれるのは、話術に長(た)けているから。
「Youはこれから!」でも、トミーズ健、藤崎マーケット田崎、女と男の市川、令和喜多みな実の河野といった芸人とともに、あいはらは強引すぎるほどのパワーで笑いにもっていく。MBSの誇る新旧エース、武川・藤林温子両アナウンサーも、海千山千の芸人にまじって堂々と自分のキャラクターを発揮している。
音楽系番組の場合は「DJ」、情報系の生ワイド番組なら「パーソナリティー」などと、ラジオの出演者は称される。あいはらは、どちらでもない。例えるならば「ラジオ芸人」。ラジオという舞台で、トークを武器に笑いを呼ぶ職人だ。ラジオを愛する、その思いが番組を通じてリスナーに伝わってくる。
その男が、8月17日に「メッセンジャーあいはらのRADIOフェスティバルin味園ユニバース」(午後7時)を開催する。出演は東野幸治、近藤光史、小川恵理子、珠久美穂子、川岸ゆか、中西正男。在阪各局のラジオ番組に出演している強力メンバーであり、当日は局の垣根を越えた本音トークが飛び出すこと必至。ラジオ好きには見逃せない(聴き逃せない?)イベントになる。人気のため会場チケットは即日完売したものの、配信チケットはFANYオンラインで発売中。
派手さではテレビに劣るし、自由度ではネット番組に押されがちだが、それでもラジオには「ならでは」の魅力があふれている。ラジオは楽しい、おもしろい。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)




