漫才コンビ「令和喜多みな実」が惜しまれながら解散した。7月11日によしもと漫才劇場(大阪)で行われた最後の単独ライブ。野村尚平(37)河野良祐(38)は、90分間ぶっとおし漫才を熱演した。
2年半前に野村が心身の不調から休養し、以来、河野がピンでの活動を行っており、2人の漫才を見るのは久々だった。劇場チケットはアッという間に完売したため、配信での観劇となったが、彼らの漫才にかける思いや「これがラスト」という熱気はビンビン伝わってきた。
配信を見守るファンのコメント欄には「いよいよ始まる。泣いてしまいそう」「ずっと応援してました」などのメッセージが並ぶ。90分漫才のなかでいくつかのネタが次々と移っていったが、河野が腹話術の人形になり、野村が腹話術師として操る漫才は爆笑ものだった。
1プラス1イコール2ではなく、それ以上。コンビならではの魅力を存分に発揮していた。暴走気味の野村に対し、振り回されながらも時折反撃に出る河野。観客は「ひと言も聞き漏らすまい」と舞台に集中し、そして笑い声をあげていた。できることなら、このまま時間が止まってほしい、そんな空気が劇場に流れていた。
コンビの結成は2008年2月で、早々に漫才劇場(当時はbaseよしもと→5アップよしもと)のメンバー入りした早熟の天才コンビでもあった。20代前半だった野村と河野は、テンポのよいトークで特に女性ファンのハートをがっちりつかんだ。当時のコンビ名は「プリマ旦那」。人を食ったようなネーミングで、個人的にも好きだった。先輩のジャルジャルや銀シャリ、かまいたち(当時は鎌鼬)とともに劇場で切磋琢磨(せっさたくま)した。
時代が平成から令和に移り変わる2019年春、心機一転「令和喜多みな実」に改名した。このとき「いつか、なんばグランド花月(NGK)の看板に名前がのるよう頑張りたい」と誓った。
しかし、他人同士が組むコンビである限り、永遠に続くものではなく、いつか別れはやってくる(きょうだい、夫婦コンビでも同様)。「二人で出した最善の道が解散という形でした」「野村には感謝しかありません」と、河野はX(旧ツイッター)につづっている。
解散の奥にひそむ深い事情は、当人でしか分からない。ただ「令和喜多みな実」という“おもろい漫才師”がいた。この事実は記憶に刻んでおきたい。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)




