遅ればせながら映画「マイケル」を見た(以下、ネタバレあるので、ご注意を)。6月12日に全国公開されて以来、ほぼ1カ月が経過していた。会場は、我が家近くのシネコン。平日の午後3時台、観客は30人ほどだったろうか。
記者(わたしです)と同世代の友人知人はそろって「おもしろい!」「もう一度見たい!」と絶賛。その声につられて「早く見なけりゃ」と思っていたが、ようやく実現した。
ざっくりいえば、確かにおもしろかった。2時間を超す上映時間ながら、ずっとスクリーンに引き込まれ、まったく退屈しなかった。とにかくサービス精神が満点。ジャクソン5時代から、ソロになるまで数々のヒット曲をこれでもかと紹介し、有名な「スリラー」「ビートイット」のミュージックビデオの撮影過程も再現した。子どもだったマイケルが成長するにつれ、父親との確執が生まれ、またマイケルが「ツイスターゲームをやろうよ」と声をかけながら応じる友人もいないなど、スーパースターの影の部分も描かれていた。
それでも、人間ドラマに重きを置くよりも、エンターテインメントを前面に押し出したのが、個人的には楽しめた。
短いながらもジーン・ケリーやチャプリンの映像が登場し、セリフにはフレッド・アステアやマルセル・マルソーの名前もあった。マイケルに影響を与えた先人へのリスペクトなのだろう。
映画では、1987年の「バッド・ワールド・ツアー」も描かれていた。当時、マイケル・ジャクソンの来日に、日本のファンは沸き立った。我々スポーツ紙の記者は新大阪駅から滞在先のホテルへと走り回った。まだ海外の大物スターによる来日公演が限られていた時代。新大阪のホームに降り立ったマイケルが、多数のファンに囲まれながら駅員に誘導され、エレベーターに乗り込んだ姿を覚えている。VIP用などではなく、荷物用のエレベーターだったのが印象に残った。
この時、関西でのライブ会場となったのが西宮球場と大阪球場。どちらも今は大型ショッピングモールに姿を変えており、時代の流れを教えてくれる。プロ野球(特に阪神タイガース)の話題がスポーツ紙の一面を占めるのが当たり前だったが、某ライバル紙は、西宮球場の初日公演を一面で大々的に伝えた。メーン見出しは「マイケル!」だった。
マイケルと、わたしの数少ない共通点は1958年生まれということ。西宮球場でのライブ時は、ステージで歌い踊る方も、記事を書く方も20代だった。マイケルが亡くなって、早くも17年。しぶとく生きているわたしは今回、シニア割引で今回の映画を見せてもらった。もしマイケルが生きていたら、彼も立派なシニア世代。60代のキングオブポップはどんなステージを見せてくれただろうか。【三宅敏】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミへキタへ~」)




