「火花」で芥川賞を受賞した「ピース」又吉直樹(35)が17日、開催中の京都国際映画祭に参加した。同映画祭のイベントの1つとして誓願寺(京都市)で「又吉直樹×『文学』の世界」と題し、書道家の田中象雨氏と講演を行った。

 同寺には「火花」のカバーを飾った装画「イマスカ」(作・西川美穂氏)、又吉が09年ごろから考案した「四字熟語」を田中氏が書で描いた作品が展示されている。

 展示作品を見た又吉は「四字熟語と言っても賢い四字熟語ではなく、僕が考えたアホな四字熟語です」と前置きしながらも「田中さんの書で見ると説得力がある。アホだけどなぜか説得力がある。お寺という環境になると、さらに説得力が増しますね。ただしバチが当たりそうなのは抜いておきました」と満足そうにうなずいた。

 ちなみに外した1つは「狩猟小西」と書くドン小西という作品。「失礼というので抜いたのではなく、お寺よりも街っぽいところで出そうかなと思って」と説明した。

 さらに芥川賞受賞後の現在の状況についても又吉流の四字熟語で表現した。これまで考えた300語の四字熟語から選んだのは「突然百點」。「だれからも注目されずにダメな点数ばかりとっていた人間が突然100点をとると『百』の重みでしんどくなる。いまの状況は『突然百點」に近い状況ですね」。

 深刻そうなモードに入りかけた又吉だったが、最後は笑いで締めた。「しんどい? ぼくの顔を見ていただければ幸せですし」と言葉とは裏腹に目をとろんとさせ、思い切りしんどそうな表情を作ってみせた。