昨年8月、11年ぶりに芸能界復帰した元猿岩石の森脇和成(41)が先月末、著書「もしかして、崖っぷち?」(角川書店)を発売した。芸能界引退後のサラリーマン時代の苦悩や、元相方有吉弘行への思いなどについて、本人に聞いた。

 著書では、営業成績万年最下位だったサラリーマン時代の「鬱(うつ)」状態の様子も、詳細につづられている。元妻との離婚に伴う2人の子どもとの別れや、猿岩石にちなんだ周囲からの「イジり」など、「地獄ばかりだった」と回想。通勤電車を待つホームで飛び込み自殺することを想像し、「死んだら、今でもスポーツ新聞に載るのかな」と思ったことなど、精神的に追い詰められたという。

 「仕事は思い通りにいかず家に帰ったら現実逃避したくて、見るのは海外のドラマばかり。日本人を見たくなかったし、次の日が来るのがいやで、朝方までDVD見ていました」

 芸能界復帰の背景には、有吉の大ブレークもあった。元相方は、ピン芸人として再起を図り、切れ味鋭い毒舌とハイセンスなトークで、今では多数の冠番組を抱える。

 「有吉が売れたのはうれしかったけど、めちゃくちゃ売れると、笑えなくなってきて。やっぱり周囲から比べられて、営業先の人や、街中のおばちゃんから、僕が『負け組』とか『あんたも頑張れよ』みたいに言われて。つらかったです」

 見かねた勤務先の社長から「好きなことをやった方がいい」と背中を押され、離婚で「身軽」になったこともあり、芸能界復帰を決断した。有吉には電話とメールで報告したが、折り返しや返信はないという。

 猿岩石時代のピーク時は月収2000万円。現在の月収は「サラリーマン時代と同じくらい」だが、全く不満はないという。

 「すごいお金持ちになっても、本当に仲のいい友達にもおごったり、バランスがおかしくなって、あまり楽しくなかった。普通に飲んでいたいし、彼女が欲しいです(笑い)」

 苦難の時を経て舞い戻った芸能界。今度は自分1人のペースで、道を開拓していく。【横山慧】

 ◆森脇和成(もりわき・かずなり)1974年(昭49)8月1日、広島県生まれ。圧接工だった94年、小学校時代からの幼なじみだった有吉と猿岩石を結成し、上京。96年「進め!電波少年」のユーラシア大陸横断企画でブレークしたが、方向性の違いなどから04年に解散、引退。数年間、東京・六本木でサパークラブを経営したが、元妻の出産を機にサラリーマン転向。特技は料理。168センチ。