蒼井優(32)が“3冠”を達成した。「彼女がその名を知らない鳥たち」「アズミ・ハルコは行方不明」で主演女優賞を獲得。06年「フラガール」の新人賞、10年「おとうと」の助演女優賞に続いた。「後輩たちが困っている時に、何かになれれば」と、日本映画界を引っ張る女優としての自覚を見せた。

 「彼女-」で演じたのは、だらけた生活を送り、不倫する嫌な女だ。「嫌な女を演じる怖さがあったけど、お客様に嫌われてもいいと勇気をためて演じることができた。賞をもらうと立ち止まって後ろを振り返ることができるけど、監督、現場のみなさんでいただいた」と思いを口にした。

 01年に「リリイ・シュシュのすべて」で映画デビューした。「この16年、仕事が途切れずにきた。『蒼井優と仕事をしてもいいな』と思ってくださる方がいる。目の前の仕事を一生懸命やってきたら、16年たった。これからも1歩1歩、前を向いて頑張っていきたい」と話した。

 前年受賞の宮沢りえ(44)から盾を贈られると、2人でハグして背中をポンポン。宮沢から「いつもすごく男前なんですけど、今日はとてもきれいでドキドキしています。稽古場では『役を生きる』ことに徹していて潔さがある」と真っ赤なロングドレス姿を褒められると笑顔を見せた。

 宮沢とは15年に舞台「三人姉妹」で共演。「りえさんと舞台をご一緒した時にいただいた課題をまだ消化できていない。それが何かは言えないけど、いつかそれが分かる日がくるように、少しずつ自分の中で消化したい。いろいろな方が課題をくれるけど、一番難解な課題をくださった」とさらなる精進を誓った。

 花束のプレゼンターを務めた白石和弥監督(43)は、蒼井を「見たことのない表情を出してくれる。どうしようという思いを一瞬で吹き飛ばしてくれる」。蒼井は来年の目標は「楽しく健やかにすごせたらいいな」、そして「後輩が困っている時は、支えるというのじゃないけど何かになりたい。自分も頑張って、後輩たちが楽しくしていてほしいと思う」と思いやりを口にする。日本映画界のトップを行く自覚は十分だ。【小谷野俊哉】