19日スタートのテレビ朝日系ドラマ「ハゲタカ」(木曜午後9時)の初回視聴率が11・9%(関東地区)だったことが20日、ビデオリサーチの調べで分かった。

 綾野剛(36)演じる鷲津政彦が、企業を食い荒らす“ハゲタカ”と非難を浴びながらも、経営不振の企業を鮮やかに買収し、再生させていくエンターテインメントドラマ。平成を駆け抜けた鷲津の20年間を描く。共演は沢尻エリカ(32)渡部篤郎(50)杉本哲太(52)光石研(56)小林薫(66)ら。

 バブル崩壊後の97年。日本の金融業界は、膨大な不良債権を抱え危機に陥っていた。大手銀行の三葉銀行は、回収困難な不良債権を投資会社にまとめ売りする“バルクセール”を行う。日本初の試みを担うことになった三葉銀行の芝野健夫(渡部篤郎)は、その席で外資系投資ファンド「ホライズンジャパン・パートナーズ」代表・鷲津政彦(綾野剛)と出会う。

 簿価総額723億に対し、芝野は「最低でも300億で買い取って欲しい」と伝えるが、「誠心誠意、丁寧な査定をさせていただきます」とだけ返す鷲津に一抹の不安を抱く。

 芝野を除く三葉銀行の面々は想定以上の手応えを感じている様子だが、鷲津は4週間後の回答期日に衝撃の評価額を提示する。「外資の“ハゲタカ”に丸め込まれた」と憤慨する三葉銀行取締役・飯島亮介(小林薫)は、2回目のバルクセールを自ら仕切ると宣言。芝野には「三葉のためだけに働け」と強いる。

 一方の鷲津は、セールで手に入れた債務者からの怒号を浴びていた。その場に居合わせた「グランセンチュリーホテル」のフロントマネジャー・松平貴子(沢尻エリカ)は、その様子を目にするのだった。

 原作は04年に刊行された真山仁氏の同名小説。原作では描かれない鷲津の18年現在の姿を、ドラマのために書き下ろしている。会見に出席した真山氏は「作家とって一番幸せなのは、自分の書いた文字が生身の人に演じてもらえること」。続けて「もっとうれしいのは、これほどまでに原作のポイントを大切にしていただいたこと。俳優の方に演じていただいて、実際にいたらこんな人なんだろうなとしみじみ思っています」と話している。