松任谷由実(65)が4日、冬恒例公演「サーフ&スノー」を新潟・苗場プリンスホテルで開幕した。音楽活動を辞めたいと思った過去を明かした上で、嵐の活動休止について理解を示し、将来的な復帰も期待した。

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ユーミンはシックな黒のコートドレス姿で登場した。派手な演出が話題の全国ツアー中だけに「象は出ません。空も飛びません。グッと大人の世界です」とユーモアを交えてあいさつした。

途中、人気絶頂での嵐の活動休止について触れた。「素晴らしいんじゃないかと思います。1年くらい充電期間をおいてモチベーションをさらに上げて、もっと大きいグループ、個人になるのでは。竹も節があるから伸びていくし」と理解を示した。嵐とは昨年3月、日本テレビ系「嵐にしやがれ」で本格的に初共演。嵐の魅力を「それぞれナチュラルでウイットに富んでいて仲良しですてき。(親交がある)マツジュン(松本潤)と時間ができたら飲みに行きたい」と語った。

デビュー46年目。先輩歌手として、活動再開時の大変さも示唆した。「人それぞれですが、続けてきた身としては続けてきた方がいいですよ。再起動に5倍、10倍のエネルギーがいる」としたが「でも皆さん、必ずやると思いますよ」と、嵐の復帰を“予言”した。

活動休止経験はないが、1度だけ考えたと告白した。「76年に結婚して、その時期に(音楽活動を)やめた方がいいかなと。1年半くらい割とくすぶっていたけど、やめられない自分がいた」。理由について「(自身が)ブームだったから、逃げたかったんですよね」と説明。「逃げても1度、名前が出てしまったら逃げられるものではないと、感覚で分かりました。それからは…やめたいと思いません」と断言した。

苗場公演は81年から毎年開催し、39回目のテーマは「大人の妄想」。だまし絵で非現実的な世界を表現し、ヒット曲「リフレインが叫んでる」などを情感たっぷりに披露した。最後に、休まず歌手活動を続ける秘訣(ひけつ)を明かした。「加山雄三さんに元気の秘訣を聞いたら『元気なこと』。続けることの秘訣は『続けること』と。元気でいることの元気が必要。その努力が必要だと思う」。さらに「ユーミンから引退はできないです。活動休止はバッタリ死ぬ時ですね」と笑顔で生涯現役を誓った。【近藤由美子】