田原俊彦(57)が今年、歌手デビュー40年を迎える。10代から20代前半はアイドルとして、20代後半から30代にかけては、大人の男として2度、芸能界の頂点に立った。ジャニーズ事務所独立後は人気が低迷するも、今も実力派のポップシンガーとして歌にダンスに活動を続ける。今月、58歳の誕生日を迎えても「トシちゃん」の愛称が似合う元トップアイドルが、山あり谷ありの40年を語る。

今月で58歳になる。

「僕のステージは、70%がダンスナンバーだから、2時間が死ぬほどつらいんです。幕が開く前は『これから2時間か』と思うとゾッとする。でもスポットライトが当たると調子に乗っちゃう。悲しい、いや、楽しいさがだね。そんな自分が大好きなんだよ。芸能界の人って、自己愛が強いんだ。最後に勝ち残るのは俺だ、と根拠もなしに信じてるようなところがある。そういうスピリッツはなくしちゃいけないと思う。僕も自分しか信じない、寂しい男だよ。でも、ステージ立ったら誰にも負けない自信はありますよ、今もね。天職なのかもしれない。歌って踊ることが」

50年、60年目の田原俊彦は、どんなエンターテイナーになってるだろう。

「50歳で引退する、なんて言ってた時もあったけど、まだ全然いける。でも65歳、70歳になってと考えると、やばいかもしれない。いずれ、そういう時がくるんだろうけど、その時、どういうショーを作るか…、だよね。ただ1つ言えるのは、中途半端に納得して、未完成のステージには立ちたくない。いつか、終わりの日が来るまで、走り続けたいと思います」

【取材・秋山惣一郎】

▼TBS系「爆報!THEフライデー」で共演している爆笑問題の田中裕二(54)

トシちゃんってどんな人? う~ん、一言で言うなら、すごく優しい人。アイドル時代の印象と違って、すごくデリケートで周囲に気を使う人です。

人見知りのところもあって、とっつきにくかったけど、昔見てた歌番組の話を熱く語ったら、気を許してくれました。一緒にカラオケに行って、80年代のヒット曲「エル・オー・ヴィ・愛・N・G」を歌ったら「次のコンサートで歌うか?」って。歌いましたよ、実際のステージに上げられてね。

小学生みたいな一面もあって、すぐにちょっかいを出してくる。僕がトイレで用を足していると、背後から尻をもんだりするんです。トシちゃんなりの親愛の情なんでしょうけどね。トシちゃんは、僕らの世代のスーパースター。一緒に仕事してるなんて、考えるとすごいことですよね。

◆田原俊彦(たはら・としひこ)

1961年(昭36)2月28日、神奈川県横須賀市生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。79年、ドラマ「3年B組金八先生」に近藤真彦、野村義男とともに出演、「たのきんトリオ」の愛称で人気を得る。80年「哀愁でいと」で歌手デビュー。松田聖子と争い、レコード大賞最優秀新人賞を獲得した。88年のドラマ「教師びんびん物語」に主演。主題歌「抱きしめてTONIGHT」がヒット、名実ともにトップスターに。94年、ジャニーズ事務所から独立。2011年から、バラエティー番組「爆報!THEフライデー」にレギュラー出演。4月21日、NHKホールでの「40TH ANNIVERSARY EVE【ハート】平成LAST LIVE!」を皮切りに、7月から全国18カ所をツアー。6月27日に新曲「好きになってしまいそうだよ」をリリースする。