内田裕也さん(享年79)のお別れの会「Rock'n Roll葬」が3日、東京・青山葬儀所で営まれ、取材した。
仕事柄、何度か葬儀やお別れの会を取材し、弔辞や喪主のあいさつを聞いてきた。他人でありながら、どれも心温まるもので、取材とはいえ胸が熱くなることもしばしばあるが、今回の長女のエッセイスト内田也哉子(43)による謝辞ほど、震えるものはなかったように思う。
也哉子は事前に用意したのであろう文書を手に読み上げた。生まれて物心ついた頃には、裕也さんとは別居状態。「正直、父をあまりよく知りません。わかり得ないという言葉が正確」「父が息を引き取り、冷たくなり、棺に入れられ、熱い炎で焼かれ、ひからびた骨と化してもなお、私の心は涙でにじむことさえ戸惑っていました」など、父への率直な思いを語りつつ、母・希林さんの、裕也さんへの思いも代弁していた。
赤裸々な思いを淡々と読み上げているのに、ある家族の物語に、どんどん引き込まれていくのだ。
複雑で、ちょっと“普通”ではない家族関係を、也哉子は「カオス」と表現した。これまで、悩んだことや、苦しんだこともたくさんあったのだと想像できる。しかしそれさえも「この自然の摂理に包まれたカオスも、なかなかおもしろいものです」とまとめたのだ。
「Fuckin' Yuya Uchida, don't rest in peace just Rock'n Roll!!」
そう締めた時だけ、也哉子は、父の遺影と向き合っていた。



