NGT48の運営会社AKSが、元メンバー山口真帆(24)への暴行容疑で逮捕され不起訴となった男性2人に損害賠償を求めた訴訟で、20日、新潟地裁で進行協議が非公開で行われた。

協議後、AKSの顧問弁護士で、原告側の遠藤和宏弁護士が取材に応じた。この日は、被告側の弁護士は電話による会議で行われ、今後の進行や争点整理が行われたという。遠藤弁護士によると、被告側から提出された準備書面の概要として<1>被告の1人と山口との関係における経緯、<2>顔をつかむような暴行はしていないという主張、<3>被告の言動と原告の損害には因果関係がなかったことが挙げられているといい「そこが争点になる。真っ向から対決する内容。事件に至った経緯の客観的証拠がないので、信用できない。新しい事実があるのであれば、証拠を出してもらいたい。経緯などの詳しいことについては、準備書面を見てもらいたい」と話した。

また、メンバーが暴行につながる教唆があったのかどうかという点について「ネットなどで、客観的証拠がないにもかかわらず誹謗中傷の対象になって、辛い思いをしているメンバーがいる。本件に関与していないのにもかかわらず、関与したかのごとき発言していることについて、具体的には事件後の録音テープ、第三者委員会の報告にあるが、部屋番号を知った経緯について被告の1人は、相当前にメンバーの何人かから聞いたと言っていたが、今回はそれとはまったく異なる陳述をされている。その点についても客観的証拠がないので、何が真実か分からない。我々は真実発見が目的なので」と食い違いがあることも明らかにした。現状、山口とは接触していないといい、今後については「必要に応じて」とした。

訴状によると、ファンの男性2人は昨年12月8日、新潟市内の山口の自宅前で、山口の顔をつかむなど暴行。その後、今年1月に山口が事件を明らかにして以降、劇場公演の中止や予定していたホールツアーの中止、広告打ち切りなどによる損失、メンバーの自宅警備費用などにかかった計1億円余りのうち3000万円を請求している。

7月10日に、同地裁で第1回口頭弁論が開かれた際は、被告側は弁護士を含めて出席しなかったが、請求の棄却を求めており、争う構えを示した。遠藤弁護士は、損害賠償請求について「被害による請求ということもあるが、額の問題ではなく、真相解明に向けて進めていきたい。真相解明をメンバーの方々や、親族の方々が求めている。そういった思いを会社も受けて、原因を究明して再発防止につなげたいという目的のために裁判を粛々と進めていきたい」と話していた。

次回は、10月28日に同地裁で非公開で行われる予定。

<NGT48騒動の経緯>

▼18年12月8日 山口真帆が新潟市内の自宅前で2人組男性ファンに暴行を受けたとして被害届を提出。

▼19年1月9日未明 山口がツイッターで告白。

▼同10日 新潟・NGT48劇場での3周年公演に山口も出演。

▼3月22日 AKSが第三者委員会の報告について新潟市内で会見。

▼同26日 地元冠ラジオ番組休止、広告契約なども3月末まで終了が相次ぐ。

▼4月21日 チームの千秋楽公演で山口が、菅原りこ、長谷川玲奈とともにグループ卒業を発表。

▼5月18日 山口らの卒業公演を開催。

▼同21日 加藤美南がSNSへの不適切投稿で研究生に降格。メンバーのSNS一時停止。

▼7月10日 AKSが、男性2人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が新潟地裁で開かれる。

▼8月1日 メンバーのSNS再開。

▼同3日 TOKYO IDOL FESTIVALにメンバー全員で出演。

▼同18日 NGT48劇場での公演を再開。