「サザエさん」コロナ禍で45年ぶりの再放送対応

フジテレビ系アニメ「サザエさん」(日曜午後6時30分)が17日から当面の間、新作の放送を休止して再放送を行うことが9日、発表された。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新作制作継続が困難になったため。レギュラー枠での再放送対応は同番組50年7カ月の歴史で、1975年2月2日から3月2日までの5週にわたり行って以来、45年ぶり2度目となる。

17日は、18年5月27日に放送された「夫婦は以心伝心」「宿題ちゃん、こんにちは」「父さん危機一髪」の3話を放送する。マスオさんの声は、今年3月21日に亡くなった声優増岡弘さん(享年83)が演じている。オープニング映像は現在放送中の「東京バージョン」を、次回予告の後のサザエさんとの「じゃんけん」は新たなものを放送する。

同局では「4月7日の緊急事態宣言を受けてドラマの撮影休止、バラエティーなどはできる限り感染予防の措置を取った上で可能ならば収録するなどの対策を取ってきました。当初は今月6日までの自粛の見通しでしたが、緊急事態宣言が今月いっぱいに延長されたことで、アニメの収録のストックがなくなったので、再放送をすることになりました」と説明している。

アニメの収録は通常、主要な出演者がスタジオに集まって行われる。主要人物の声を担当する声優が、その他の脇役や通行人などの声を担当することもあるが、「3密」を完全に避けにくい状況になりやすい。

1969年スタートの「サザエさん」は国民的な長寿アニメ。75年の5週にわたる再放送は、第4次中東戦争による第1次オイルショックの影響で「狂乱物価」と言われたほど物価が高騰したのが原因。制作費への影響もあって「サザエさん6周年記念傑作選」と題して再放送された。

50年超にわたる放送で、3話オムニバス形式の豊富な過去作品ストックがあるため再放送には困らない。一方で、アニメ界ではスタッフ、声優の仕事も減っており、コロナ禍が続けば大きな影響が出てきそうだ。

◆アニメ「サザエさん」 長谷川町子さんが1946年から74年にかけ「夕刊フクニチ」「新夕刊」「朝日新聞」などに連載した4コマ漫画が原作。69年10月5日が第1回で、今日10日の放送で第2555回を迎える。主人公フグ田サザエ(加藤みどり)と夫のマスオ(田中秀幸)、長男のタラオ(貴家堂子)、両親の磯野波平(茶風林)フネ(寺内よりえ)、弟のカツオ(富永みーな)、妹のワカメ(津村まこと)が同居する7人家族を中心に日常を描く。

最高視聴率は79年9月16日の39・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。13年9月に「最も長く放送されているテレビアニメ」ギネス世界記録に認定、記録を更新し続けている。昨年11月には「最も長くテレビアニメシリーズにおいて同じ役を演じ続ける声優」として、加藤と貴家がギネス世界記録に認定された。

○…テレビ各局はコロナ禍を乗り切ろうと、難しい緊急調整を続けている。4月初旬ごろから、ドラマ収録をほぼ休止中。収録済みストックがあるNHK「麒麟がくる」などや、全話撮影済みのテレビ東京系「行列の女神~らーめん才遊記~」など一部の作品以外は初回を延期したり、途中で休止したりして、傑作選や過去の別作品を放送するなどしている。報道・情報番組やバラエティーはおおむね、出演者の距離を離したり、リモート出演や企画変更などで対応している。過去4週にわたり総集編を放送したフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)は感染対策をして今月8日に収録を再開。今日10日に放送される。