新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が全面的に解除されたが、コロナ前の生活にはなかなか戻らない。外出自粛生活がすぐに解消できるわけでもなく、自宅で過ごすためのエンターテインメントはこれからも需要がありそうだ。

3月29日に新型コロナウイルス感染による肺炎で亡くなった志村けんさん(享年70)の所属事務所「イザワオフィス」が、志村さんの冠番組で1987~96年にフジテレビ系で放送の「志村けんのだいじょうぶだぁ」を再編集した動画10本を、同社のYouTubeチャンネルで4月18日から順次公開した。

同社は、10本のうち#1を「広告のない動画」、#2~#10を「広告付き動画」として限定公開し、得られる収益のうち、必要最低限の経費を除いた全額を、日本赤十字社に寄付すると発表している。

「#1」の公開から約1カ月半がたち、10本の総再生回数は1780万回再生を超えている(5月30日現在)。

「#1」は公開から約1日で200万回を超え、YouTubeの急上昇ランキングで上位に登場するなど大きな話題となったが、順次公開された残りの9本中7本も100万回再生を超えるなど、日に日にその再生回数を伸ばしている。

コメント欄をみると、「期間限定ではなく永久保存にして欲しいです」「10話以降も出してください!」といった限定公開を惜しむ声であふれている。

さらに「マスクや助成金よりも大切な『笑顔』をもらいました。イザワオフィス及び志村さんありがとうございました」「スタッフの皆さま、これまで編集、アップありがとうございました」といった感謝の声もある。

医療従事者への支援という側面もあるが、単純にエンターテインメントとして楽しまれている印象だ。コメント欄では「志村けんさんが亡くなったことが信じられない」「まだ言ってんのかよって言われるかもしれないけど、まだ志村さんが亡くなっている実感が湧きません」といったしのぶ声が多く見られる。しかし、一番多いのは、「小さい頃見てた あれから30年 今見ても面白い」「1つ1つのキャラがおもろ過ぎる 同じコントを何度見ても笑えるんだから志村けんは本当の天才です」「最高に笑える」といった動画を楽しんだ感想だ。

志村さんが亡くなって2カ月たつが、志村さんは今でも映像を通して日本中に笑いを届け続けている。