俳優小栗旬(37)が来年10月期のTBS系日曜劇場「日本沈没-希望のひと-」(日曜午後9時)で、同枠で11年ぶりに主演を務めることが25日、分かった。小栗は「今を生きる皆さんへの賛歌になれるような作品にしていきたい」と意気込んでいる。

1973年(昭48)に刊行された小松左京氏による小説「日本沈没」が原作。同局でも74年にドラマ化され、映画やアニメ、漫画などさまざまなコンテンツで楽しまれてきた。今作は2023年の東京を舞台に、主人公を含めオリジナルキャラクターで大きなアレンジを加えたストーリーになる。新型コロナなど大きな危機に見舞われたこの時代だからこそ「見いだしていく希望」をテーマに描かれるという。

小栗が演じるのは未曽有の危機に立ち向かう野心的な環境省の官僚・天海啓示。「“希望”と“人間の強さ”を届けられるよう自分を含め、キャスト・スタッフ全力で希望を持って真摯(しんし)に作品に向かっていきます」とコメント。東仲恵吾プロデューサーは「(主人公が)道なき道を切り開いて立ち向かっていく力強さが小栗さんそのものだった」と起用理由を明かし「かつてない苦しい状況に追い込まれる中で、葛藤する様子、もがき苦しむ様子は今までの小栗さんの役どころとして新境地」と期待する。

松山ケンイチ(35)は経産省官僚・常盤紘一役を演じる。天海とは大学の同期で信頼し合っているという役どころ。「客観的に国のこととそこに生きている自分自身を見つめ直すきっかけになる作品になると思います」と楽しみな様子。仲村トオル(55)が演じる総理大臣・東山栄一が発足させた“日本未来推進会議”に天海とともに出席する。

総理大臣役の仲村は「初めての総理大臣役に緊張しています」といい「最終回を見た人たちに、困難な状況の日々でも諦めずに前を向いて歩き続けた人間の未来には少し強くなった新しい自分がいる、というような希望を感じていただけるように全力で頑張ります」と力を込めた。

さらに杏(34)が環境省の腐敗を暴こうと取材する中で天海と出会う週刊誌記者・椎名実梨役を演じる。同局系連ドラのレギュラー出演は初で「万全の体制で挑みつつ、全力でぶつかっていきたいと思います」としている。

「半沢直樹」での熱演が話題の香川照之(54)は原作の人気キャラクターで日本地球物理学界の異端児ともいわれる地震学者の田所雄介役で出演する。個性的なキャラの演技に期待がかかるが「日本が沈没するという、かつては荒唐無稽と思われたテーマを通して、地球が現在抱えている課題を、改めてこのドラマで訴えていきたいと思っています」と誓った。