トランプ米大統領の長女で大統領補佐官のイバンカさんと、夫で大統領上級顧問のクシュナー氏夫妻が、この4年間警護を担当してきたシークレットサービスに対して自宅の洗面所の使用を禁止していたため、オバマ前大統領宅の地下にある洗面所を利用していたとワシントン・ポスト紙が報じた。

夫妻が暮らすひと月の家賃が1万5000ドルと言われる自宅には計7つの洗面所があるが、トランプ大統領が就任した2017年以降シークレットサービスはそれらを使用することは認められておらず、担当者は用を足す場所を探して毎日奔走していたという。

仮設洗面所の設置も検討されたこともあったが、最終的に近隣の住宅やレストランで洗面所を借りるようになり、その中には近所に住むオバマ前大統領やペンス副大統領宅も含まれていたと伝えている。

ワシントン・ポスト紙が入手した書類によると、トランプ大統領の就任から半年以上たって、洗面所のために夫妻の自宅近くに月3000ドルで部屋を借りる許可がくだり、この4年間でその費用は14万4000ドルにのぼると伝えている。シークレットサービスはそこに宿泊することはなく、用を足す以外は休息したり、食事を取る場所として利用していたという。

夫妻には3人の子供がいて5人暮らしだが、自宅には家族の人数以上の洗面所があるにも関わらず、それを使わせずに税金で部屋を借りさせていたことに批判の声があがっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)